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どうも「誤報」をおかしてしまったらしい。9月26日付の日刊スポーツ。「森監督 解任」。その日の記者会見で、プロ野球・横浜ベイスターズの大堀球団社長は最後まで「解任」という言葉を使わなかった。 「森監督と話し合って、今日で業務委託契約を解除することになりました」。 ずいぶん長く野球取材をしてきたが、こんな表現を聞いたのは初めてである。「解任ではなく、『森監督 解除』だったんだ」と傍らのデスクが腹を抱えた。しかし、球団は最後まで「辞任」にこだわった。新聞が印刷される深夜、関係者が「辞任と書いてくれたら、そのうちうまい情報を流すから」とまで電話をかけてきて、担当記者から怒鳴りあげられた。解任と辞任。その意味合いは天と地ほどの差がある。そんなことは球団関係者でも先刻ご承知とは思うが、ここまでこだわるのは異常としか言いようがない。要は世間体しか考えていないのである。 昭和55年秋、巨人長嶋監督が解任された。「解任」したことで親会社の新聞社にはファンから轟々たる抗議電話が届き、不買運動が展開された。ある新聞社の幹部は「あれだけ日本球界に貢献した長嶋だ。解任ではかわいそうだ。辞任にしてやってくれ」と言ったそうだから、書く側もえばれたものではない。 後任はOBの山下大輔氏で間違いなさそうだ。山下氏がまず手がけるべきはコーチらスタッフ人事ではない。監督業を「業務委託」と考えるような球団体質をどう改善してゆくのか、親会社の確固たる経営方針を確かめる必要がある。森監督同様、グラウンド外の敵と戦うような愚を犯してはならない。 さもないと、相手がテレビ局だけに、低俗バラエティ番組同様、「山下監督 打ち切り」なんてことになる。視聴率は、監督の首など平気ですげ替える。 |